Aro/Ace調査とは

調査の目的

本調査は以下のことを目的としています。

 

①Aro/Aceの可視化を促す

②Aro/Aceコミュニティに集まる人たちの多様性について議論するための情報を収集する

③Aro/Aceに関する情報を提供し、学術研究の発展やAro/Aceに関する運動の活性化に寄与する

 

*本調査は回答者のセクシュアリティを検討・診断・決定するものではありません

調査の背景

 近年、LGBTをはじめとする性的マイノリティが多くのメディアで取扱われるようになり、その流れの中でアロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(以下、Aro/Ace)が取り上げられることも少しずつですが増えてきています。

 

 一方で、Aro/Aceに関する学術研究が日本国内で少ないという課題があります。性的マイノリティの生活実態に関する全国無作為抽出調査で回答者の0.9%が「アセクシュアル・無性愛者」だったという結果が報告されていますが*、アセクシュアル以外のカテゴリーが含まれていないなど、Aro/Aceを対象としたより詳細な研究が求められています。

 

 弊団体では、そのような状況の中で、2020年からAro/Aceを自認している、またはそうかもしれないという方を対象とした「アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム調査(Aro/Ace調査)」を実施しています。多くの方の協力のおかげでたくさんの回答が集まり、調査結果が各メディアで紹介されたほか、論文や書籍の形で発信することができました。協力いただいた皆様には深くお礼申し上げます。

 

 本調査は今後も定期的に実施し、学会発表や論文への利用を含め広く結果を発信することで、Aro/Aceに関する研究や社会運動に貢献することを目指します。その結果としてAro/Aceコミュニティはもちろんのこと、多様な恋愛・性愛のあり方が尊重される社会の形成に資することを願います。

 

 今後とも何卒ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

*釜野さおり・岩本健良・小山泰代・申知蒸・武内今日子・千年よしみ・平森大規・藤井ひろみ・布施香奈・山内昌和 2023『家族と性と多様性にかんする全国アンケート結果概要』JSPS科研費21H04407「性的指向と性自認の人口学の構築―全国無作為抽出調査の実施」(研究代表者 釜野さおり)(2024年10月24日取得、https://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI2/ZenkokuSOGISummary20231027.pdf).

調査対象

以下の①~③全てに該当する方に調査への協力をお願いしています。

 

アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(Aro/Ace)*を自認している、またはそれに近い、そうかもしれないと思っている方

 

日本語の読み書きをする方(国籍、居住地は問いません)

 

③年齢が回答時13歳以上の方

 

*アセクシュアル、アロマンティック、グレイ(ア)セクシュアル、グレイ(ア)ロマンティック、デミセクシュアル、デミロマンティック、リスセクシュアル、リスロマンティック、その他周辺のセクシュアリティ

調査主体

As Loop 

調査代表

三宅 大二郎 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程

 

専門は社会学、セクシュアリティ研究。Aro/Aceコミュニティについて研究している。

 

【論文】

・三宅大二郎&平森大規(2021)「日本におけるアロマンティック/アセクシュアル・スペクトラムの人口学的多様性――「Aro/Ace調査2020」の分析結果から」.『人口問題研究』.77(2). 206-232.

・三宅大二郎・平森大規(2023)「日本のアロマンティック/アセクシュアル・スペクトラムにおける恋愛的指向の多面性 」『ジェンダー&セクシュアリティ』18.1-25. 

調査監修

平森大規 法政大学グローバル教養学部

 

専門は計量社会学、クィア・フェミニズム研究、セクシュアリティ・ジェンダー階層論。特に、日本における性的指向・性自認と社会経済的地位の関連性や性的マイノリティと社会意識に関する分析、計量研究における性的指向・性自認の測定論やクィア・フェミニスト方法論などに関心がある。

 

【論文】

平森大規「職場における性的マイノリティの困難——収入および勤続意欲の多変量解析」CGSジャーナル『ジェンダー&セクシュアリティ』10: 91-118(2015)など。

 

個人情報の取り扱い

As Loopは調査のすべての過程において、個人情報保護法を遵守し、ご協力くださる方々の居住地、年齢、学歴など、個人の特定につながる情報(以下、個人情報)を、適正に扱う責任があると考えます。個人情報を保護するにあたっては、「個人情報保護にかんする基本方針」をさだめ、当方針にしたがって個人情報を扱います。

 

個人情報の保護に関する基本方針

1.「個人情報の保護に関する法律」およびその他の関係諸法令、主務官庁のガイドライン、および本基本方針を遵守します

2.個人情報の収集、利用及び提供をおこなう場合には、法令等にもとづき、安全かつ厳正な管理に努めます。

3.個人情報への不正アクセス、個人情報の漏えい、滅失、毀損(きそん)、および改ざんの予防と是正に努めます

4.収集した個人情報は、あらかじめ定められた利用目的の範囲内でのみ利用します

データの管理と利用

本調査の結果は、個人を特定できる可能性のある情報を削除した上で、このサイトでの公開を予定しています。さらに、各イベント(学術大会含む)において集計データの発表や、本調査を基にした論文ないし書籍の執筆をする可能性があります。

 

本調査の結果は上記のとおり公開資料となります。個人・組織を問わずに誰でも結果を共有できるようになる点はご留意ください(個票データは公開しません)。

 

ただし、結果を引用する際は出典の明記を必須とし、営利目的の利用および資料の改変は禁止します。

これまでに発表した調査結果、報告会のアーカイブ等は以下からご覧ください。

Q&A

Aro/Ace調査について詳しく知りたい方は、調査に関するQ&Aもあわせてご覧ください。 ご不明な点がもしあればお問い合わせください。