調査の目的

本調査は以下のことを目的としています。

 

①Aro/Aceの可視化を促す

②Aro/Aceコミュニティに集まる人たちの多様性について議論するための情報を収集する

③Aro/Aceに関する情報を提供し、学術研究の発展やAro/Aceに関する運動の活性化に寄与する

 

*本調査は回答者のセクシュアリティを検討・診断・決定するものではありません

調査の背景

近年、LGBTをはじめとする性的マイノリティが多くのメディアで取扱われるようになり、人権課題の一つとして広く認識されるようになりました。しかし、LGBTの認知度が飛躍的に高まっている一方で、アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(以下、Aro/Ace)は一般にはあまり知られていないのが現状です。

 

一部メディアなどで取り上げられる機会が増えてきているものの、Aro/Aceに関する学術研究はわずかしかありません(大阪市で行われたある人口学的調査では、「アセクシュアル」に関する項目も含まれていました。結果はこちら)。とくに、Aro/Aceを主な対象とする量的調査は非常に少なく、Aro/Aceの人たちに関する基本的な情報が不足しているといえます。

 

しかし、英語圏では、Aro/Aceの人たちが交流/情報交換をするネットワーク(Aro/Aceコミュニティ)を活かしたアンケート調査が10年ほど前から行われています。Aro/Aceの認知度向上や学術研究の発展に貢献する一つの方法として定着し、Aro/Aceの人たちの声を届ける助けになっています。

 

そこで、日本でも同様の調査を実施しようと、Aro/Aceコミュニティに日頃から関わる有志のメンバーで2019年に「Aro/Ace調査実行委員会」を結成しました。それから一年以上にわたり、学術研究に携る方々の助言やAro/Aceの人たちの意見を参考にしながら議論を重ね、2020年に「アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム調査2020」を実施しました。

 

多くの方の協力のおかげでたくさんの回答が集まり、調査結果が各メディアで紹介されたほか、論文として発表することもできました。協力いただいた皆様には深くお礼申し上げます。

 

2021年に「Aro/Ace調査実行委員会」は「As Loop」 に改名しましたが、本調査は引き続き定期的に実施する予定です。本調査が多くのAro/Aceの人たちの、そしてセクシュアリティにかかわらず誰もが生きやすい社会へ変革する契機となることを期待しています。今後とも何卒ご協力のほどよろしくお願いいたします。

調査対象

以下の①~③全てに該当する方に調査への協力をお願いしています。

 

①アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム(アロマンティック、アセクシュアル、ノンセクシュアル、デミセクシュアル、デミロマンティック、リスセクシュアル、リスロマンティック、その他周辺のセクシュアリティ)を自認している、またはそれに近い、そうかもしれないと思っている方

 

②日本語の読み書きをする方(国籍、居住地は問いません)

 

③年齢が回答時13歳以上の方

 

調査主体・メンバー

As Loop 

調査監修

平森大規 法政大学グローバル教養学部

 

専門は計量社会学、クィア・フェミニズム研究、セクシュアリティ・ジェンダー階層論。特に、日本における性的指向・性自認と社会経済的地位の関連性や性的マイノリティと社会意識に関する分析、計量研究における性的指向・性自認の測定論やクィア・フェミニスト方法論などに関心がある。

論文:「職場における性的マイノリティの困難——収入および勤続意欲の多変量解析」CGSジャーナル『ジェンダー&セクシュアリティ』10: 91-118(2015)など。

 

個人情報の取り扱い

Aro/Ace調査実行委員会は調査のすべての過程において、個人情報保護法を遵守し、ご協力くださる方々の居住地、年齢、学歴など、個人の特定につながる情報(以下、個人情報)を、適正に扱う責任があると考えます。個人情報を保護するにあたっては、「個人情報保護にかんする基本方針」をさだめ、当方針にしたがって個人情報を扱います。

 

個人情報の保護に関する基本方針

1.「個人情報の保護に関する法律」およびその他の関係諸法令、主務官庁のガイドライン、および本基本方針を遵守します

2.個人情報の収集、利用及び提供をおこなう場合には、法令等にもとづき、安全かつ厳正な管理に努めます。

3.個人情報への不正アクセス、個人情報の漏えい、滅失、毀損(きそん)、および改ざんの予防と是正に努めます

4.収集した個人情報は、あらかじめ定められた利用目的の範囲内でのみ利用します

データの管理と利用

本調査の結果は、個人を特定できる可能性のある情報を削除した上で、下記ホームページでの公開を予定しています。さらに、各イベント(学術大会含む)において集計データの発表や、本調査を基にした論文ないし書籍の執筆をする可能性があります。

 

本調査の結果は上記のとおり公開資料となります。個人・組織を問わずに誰でも結果を共有できるようになる点はご留意ください(個票データは公開しません)。

 

ただし、結果を引用する際は出典の明記を必須とし、営利目的の利用および資料の改変は禁止します。

これまでに発表した調査結果、報告会のアーカイブ等は以下からご覧ください。